拘束型心筋症
症例の概要
猫
雑種
去勢雄
7歳11ヶ月
夜間救急外来を受診。昨日から咳をしていて苦しそう。他院にて注射を打ってもらったが良くならない。来院時呼吸促迫、チアノーゼ、X線検査にて前胸部の不透過性が亢進、心臓エコーにて左房の拡大、僧帽弁逆流、左室内心尖部に拘束物を認めたため拘束型心筋症とそれに関連した胸水貯留/肺水腫と診断。
拘束型心筋症について
猫の心筋症の中でも2番目に発生が多く、心筋の拘束性病変によって心室の拡張不全を起こします。病期が進行すると左房圧上昇による胸水貯留や肺水腫、血栓形成や不整脈などの問題を起こします。
治療内容
入院とし、ICUにて管理としました。血管拡張剤、強心剤、利尿剤、抗血栓薬の投薬を開始。入院から2日後にICUを離脱、呼吸状態も安定。4日後に退院できました。
拘束型心筋症の予後は悪く、平均生存期間132日との報告があります。
初期治療にどれだけ反応するかにもよりますが、オーナーさんには十分に説明して理解して頂く必要があります。