膀胱結石

症例の概要

DSH 去勢雄 5歳7ヶ月
血尿を主訴に来院。X線検査、エコー検査にて膀胱内に結石を認めました。

膀胱結石について

結石とは、主成分である晶質、すなわち無機塩類が少量の有機基質とともに凝集したものです。膀胱内に発生するものは膀胱結石と呼ばれ、場所によっては腎結石、尿管結石、尿道結石など様々です。また、結石の種類は大きく2つに大別され、溶解させることができるストルバイト結石、溶解させることができないシュウ酸カルシウム結石に分けられます。(他にも様々な種類の結石がありますが、発生は稀ですのでここでの説明は割愛します。)
尿検査を行うことでストルバイト結石なのかシュウ酸カルシウム結石なのかを予想することができますが、今回のケースでは尿検査での結晶物の析出はなく、判断困難でした。

治療内容

溶解性か、非溶解性かを判断するため、療法食を1ヶ月程度使用しましたが溶解せず。
膀胱を切開し、手術にて摘出することとなりました。
摘出した結石を分析したところ、シュウ酸カルシウムが90%と、そのほとんどが非溶解性の成分でした。

手術後は膀胱内にカテーテルを設置し、3〜4日の入院が必要になります。
再発防止のため、生涯にわたっての食事管理が必要です。